カウンセリングとは?
協同作業⁉
悩みを抱える相談者と相談者の悩みに対する専門的な知識や技術をもつ相談員(カウンセラー)の「協同作業」がカウンセリングです。
ただし、相談者が目指すゴールが、体調不良の原因の特定や治療の場合は、カウンセリング領域ではありません。カウンセラーは診断や処方は行えません。よって、それを求めていらっしゃる方には専門医療機関の受診をお勧めしています。
さて、「協同作業」…今回は真面目な情報発信をします。
Aさんは救われるのか!?
例えば、反抗期のお子さんへの対応に悩んでいるお母さん(Aさん)が、七星のところに相談に来られたとします。
まず行うのは「傾聴」というAさんへの寄り添い、想いを共有することです。協同作業をするためにとても大事なことです。
傾聴により七星はAさんの現状把握ができ、Aさんは七星に話すことで気持ちの整理につながります。
ここでとても重要なポイントは…
Aさんと七星の目線は同じ高さということです!
Aさんは負担を少しでも軽くしたくて、助けて、と思っているかもしれませんが、救うのは七星ではないです。
Aさんははたして救われるのでしょうか?
Aさんを救うのは…
Aさん自身です。
七星が先回りして誘導してしまうと、Aさんは自力でゴールに向かう気付きや発見に至らないまま、同じような場面でまた苦しむことになるかもしれません。
Aさんが今後も自信をもって進むことができるようにするため、七星はAさんと同じ歩調で進みます。
ただ、負担は一刻も早く手離したいものです。中にはかなりギリギリの状態で堪えきれなくなるまで我慢されている方も少なくありません!
そのようなときに使うのが「ヒント引き出し」です!
七星の「ヒント引き出し」を相談者と一旦「共有」して、その後どうするかは、相談者次第ですから、ヒントを選んでも選ばなくても、その選択こそが、相談者が自らを救う路に踏み出した状態です。
依存と甘えの違い
あなたも今までに「甘えるな」と言われた経験が一度はあると思いますが、「甘え」とご認識されやすい言葉に「依存」があります。
「アルコール/薬物/ネット 依存」などのように、「〇〇なしで生活しようと思えば可能だけど、〇〇なしでは生活に支障をきたす状態」←これが依存です。
一方、「甘え」はわかりやすい例が「お言葉に甘えて」という表現。
相手の厚意や思いやりに対して素直になることです。
「こうしたい」「そうなるといいな」と思っていることを、自分の「思うままに」「ありのままに」というイメージで伝わるでしょうか?
「幼児が自分の身の回りのことをしようと思えばできるのに、やろうとしない」
これは依存と甘えのどちらだと思いますか?
これは甘えですね!幼児期に欠かせない甘えです。
大人でもたまには休みたいこともありますし、そんな気分じゃないこともあります。もちろん、常にではなく、必要なときに甘えられる場面があれば、依存から甘えへの転換は不可能ではありません。
幼児にも理解できるような言葉を選ぶ、使い慣れた言葉を選ぶ、などの理由で手っ取り早く「依存」は「甘え」に置き換えられやすいのでしょう。
甘えが必要、特に甘えたい盛りの子どもに対して「甘えるな」は、今思えば酷かなと…私も以前は何気なく使っていました…
この誰もに必要な「甘え」が足りなくて苦しい状態の人が想定外に多いのです!
「わからないことに直面した、どうしよう、まぁいいか…」「やらなくちゃいけない、でもしんどい…」「好きな人に甘えたい、けど、しつこいと嫌われるかな…」
このように、素直に「甘え」という選択ができず、他の行動や我慢などにすり替わることが甘え不足の原因であり、その穴を埋めるように他のモノや人に「依存」という選択をしてしまい、苦しんでいる方もいらっしゃいます。
探し出したい
子が大人になり親となったとき、我が子をどう育てたらよいのか、まず頭に浮かぶのは自分の幼少期の育てられ方だと思います。
甘えて育った方は、ご自分のお子さんにも甘えの与えられる親になられると思いますが、甘え不足で育った方は「負の連鎖」を招きがちです。
親も子も悪くないです。それしかやり方を教えられてないからです。
「家庭」という小さな閉鎖空間の中から、他の家庭の一部を見たとしても、何が正解かわからない、その人に合った進み方を見出だすほかないですし、その方向性を変えるのは自力ではかなり険しい路だからです。
でも、その見出だし方にヒントがあり、小さな工夫で大きな変化を得て楽になるとしたらどうでしょうか?
相談者によってまちまちなヒントや方向性を、協同作業によって探り出す、これがカウンセリングです。
自立過程で必要な甘え、なぜ依存ではなく甘えが必要なのかも、なんとなく伝わったでしょうか?
相談者が、相談前より自信をもって自分のペースで前に進めるようになることが、協同作業者であるカウンセラーの願いです。
相談者から提供される現状と、カウンセラーから提供する相談者に適した「甘え」や情報の共有によって、共にゴールに向かうことは協同作業者であるカウンセラーの喜びでもあるのです。
相談タイミング
人の感覚には個人差があるので痛みや悩みも様々ですが、一般的に四六時中気になって、生活にも支障をきたしている状態だと思います。
もしくは、医療機関で診断を受けて治療しているが改善に至らず苦しい、心の負担をなんとかしたい、というような場合に医療とは別の視点から見直すのも選択肢の一つかもしれませんね。
虫歯をイメージしていただくとわかりやすいと思います。
明らかに歯に穴が開いている、痛みがあると気付いたときが「そのとき」です。
ちょっとのドキドキを乗り越える勇気は必要です。でも、虫歯は初期の方が断然簡単な治療で済みますが、大きくなるほど大掛かりな治療や痛みを伴うことになるのでね。
わかならいとき、心身の不調を感じたとき、それらを解決、改善する窓口は、身近な人から専門医療機関まで、たくさんあります。
もしあなたにそのような場面が訪れたとき、あなたにとって最適な窓口はどこにあるのかという情報発信になっていれば嬉しいです。
長々と読んでいただき、ありがとうございました。